この記事では2021年(令和3年)のノーベル賞の日程と受賞が期待されている日本人について紹介していこうと思います
2021年ノーベル賞の日程
2021年のノーベル賞授賞式の日程はまだ明らかになっていませんが、例年通りであれば10月最初の月曜日(10/4)から順次受賞者が発表されると思います
2020年は3月28日に日程が公表されたので、2021年も同じ時期に公表されるのではないでしょうか
ちなみに2020年の日程は、医学生理学賞が10月5日、物理学賞が6日、化学賞が7日、文学賞が8日、平和賞が9日、経済学賞が12日となっています
↓2020年の詳しいスケジュールは以下の通りです
- 医学・生理学賞:5日(月)11:30(日本時間(以下同)18時30分)
- 物理学賞 :6日(火)11:45(18時45分)
- 化学賞 :7日(水)11:45(18時45分)
- 文学賞 :8日(木)13:00(20時)
- 平和賞 :9日(金)11:00(18時)
- 経済学賞 :12日(月)11:45(18時45分)
なお2019年は10月7日(月曜日)から発表開始となっていました
2021年の日程についても分かり次第、本記事にてお伝えしようと思います
注目の日本人候補者・過去の日本人受賞者
医学・生理学賞
医学・生理学賞は「生理学および医学の分野で最も重要な発見を行った」人物に与えられる賞で、選考はカロリンスカ研究所のノーベル委員会が行います。
過去の日本人受賞者は1987年の利根川進さん、2012年の山中伸弥さん、2015年の大村智さん、2018年の本庶佑さんの4人です。
以下、医学・生理学賞の候補者です
中村祐輔さん がんプレシジョン医療研究センター所長
遺伝的多型マーカーの開発などの研究により、個別化がん治療の先駆けとなった人物です。
これまでに50人以上のノーベル賞受賞者を当てているクラリベイト・アナリティクス社の「引用栄誉賞」を2020年に受賞しました
小川誠二さん 東北福祉大学特任教授
世界の医療現場で使われているMRIの基本原理を発見した人物。
水島昇さん 東京大学大学院医学系研究科
世界で初めて、生きた細胞内部でのオートファジーを可視化。
従来、不可能と言われてきた皮膚移植を可能にしたことで有名です
物理学賞
物理学賞は、その名の通り「物理学の分野において重要な発見を行った人物に授与される」賞です
過去に物理学賞を受賞した日本人は、1949年の湯川秀樹さん、1965年の朝永振一郎さん、1973年の江崎玲於奈さん、2002年の小柴昌俊さん、2008年の南部陽一郎さん・小林誠さん・益川敏英さん、2014年の赤崎勇さん・天野浩さん、2015年の梶田隆章さんの10人です
以下、物理賞の候補者です
十倉好紀さん 東京大学大学院工学系研究科・物理工学専攻
酸化物巨大磁気抵抗(CMR)効果の発見と機構解明、マルチフェロイックスの巨大電気磁気効果の発見、磁気スキルミオンの観測と物性解明など多数の顕著な業績を挙げている。
大野秀男さん 東北大学工学部
電子の持つ磁石の性質(スピン)を利用する「スピントロニクス」の研究で世界的な業績を上げたことで知られています
化学賞
化学賞は「化学の分野において重要な発見あるいは改良を成し遂げた人物に授与される」賞です。化学は物理や医学と密接に関わっているため、物理学者・医学者が化学賞を受賞することも少なくありません
過去には1981年の福井謙一さん、2000年の白川英樹さん、2001年の野依良治さん、2002年の田中耕一さん、2008年の下村脩さん、2010年の根岸英一さん・鈴木章さん、2019年の吉野彰さんの計7人が受賞しています
以下、化学賞の候補者です
藤田誠さん 東京大学大学院工学系研究科・応用化学専攻
自律的に配位子と金属が構造を作り出す「自己組織化」やあらゆる分子の結晶解析を可能にする「結晶スポンジ」等の成果があり、ネイチャー・サイエンス両誌への掲載回数は、日本人化学者の中でもトップクラス。
ノーベル賞の登竜門とも言われるウルフ賞や クラリベイト・アナリティクス社 の「引用栄誉賞」など国際的な賞を多数受賞しているため、有力視されています
飯島澄男さん 名城大学終身教授
炭素から構成されたパイプ状の分子「カーボンナノチューブ」の発見者。
カーボンナノチューブは丈夫なのに軽く、電気をよく通すことから様々な用途に使われています
炭素がシート状に結合した「グラフェン」やサッカーボール状に結合した「フラーレン」の研究者には既にノーベル賞が与えられているため、カーボンナノチューブの開発者である飯島澄男さんも受賞する可能性が高いです
藤嶋昭さん 東京理科大学学長
酸化チタン触媒に関する「本田・藤島効果」で有名。
クラリベイト・アナリティクス社 の引用栄誉賞の前身にあたる「トムソン・ロイター引用栄誉賞」など様々な国際賞を受賞しています
文学賞
文学賞は「文学の分野において理念をもって創作し、最も傑出した作品を創作した人物」に贈られる賞。
2018年にはアカデミーのセクハラ問題により授与が行われず、2019年に2年分の授与が行われました
なお、過去には1968年の川端康成さん、1994年の大江健三郎さんが受賞しています。2017年には英国籍のカズオ・イシグロさんも受賞しました
以下、文学賞の候補者です
村上春樹さん
『ノルウェイの森』『1Q84』などの名作で知られる小説家。
国内外で人気があり、毎年有力候補に挙げられています
平和賞
1974年に佐藤栄作元首相が受賞しています
平和賞は論文数や研究成果で予想することができないため、受賞者を予想するのはかなり難しいです
したがって、申し訳ありませんが平和賞の予想は割愛させていただきます
経済学賞
ノーベル賞はアルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて創設された賞ですが、経済学賞は遺言に書かれていませんでした
そのため、経済学賞に限っては正式にはノーベル賞ではなく、アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞という別の賞という扱いになっています
なお、2020年までの経済学賞を受賞した日本人はいません
以下、経済学賞の候補者です
清滝信宏さん プリンストン大学
「清滝・ムーアモデル」により、土地や住宅などの資産価格が下落すると担保価値を落ちて銀行の貸出が減り、企業の設備投資が止まって不況が始まるというメカニズムを解明。
2019年にはクラリベイト・アナリティクスの「注目の経済学者」に選ばれました